『成田伝統芸能まつり』に行ってみた! 2018年9月15日 ~ステージはしご編~

更新日:2018年11月21日
公開日:2018年11月20日

2018日9月15日(土)、16日(日)に開催された『第5回成田伝統芸能まつり』。
全国各地の貴重な伝統芸能をじっくり堪能するには、ステージ鑑賞がおすすめ。

パンフレットを手にあちこち歩きながら、伝統芸能はしごの旅!を経験してみるのもいいものですよ。今回は初日の15日に各ステージを回ってみましたので、その様子をお伝えしたいと思います。

成田伝統芸能まつりの各ステージで伝統芸能を楽しむ

伊能歌舞伎

まずは成田駅前にある文化芸術センター3階スカイタウンホールにて、「伊能歌舞伎」をじっくりと堪能。成田市指定無形民俗文化財にも指定されている、この「伊能歌舞伎」。伝統を受け継ぎ、現在もこうして公演されるに至るには様々な苦労があったそうです。

始まりは江戸元禄時代とも伝えられ、その歴史はおよそ320年。農村歌舞伎として成田市大栄地区で受け継がれていたのですが、昭和40年の公演を最後に34年間途絶えていました。衣装も演技を指導できる人もいないなかからの復活は平成11年。今こうして観られることが、奇跡のようにも感じます。

成田伝統芸能まつり|伊能歌舞伎1

子どもたちによる「弁天娘女男白浪」の1シーン、白浪(しらなみ=盗賊)五人男が稲瀬川に勢揃いし、臆することなく一人ずつ名乗りを上げていきます。

成田伝統芸能まつり|伊能歌舞伎2

伊能歌舞伎保存会の皆さんは、高齢の方が多いと聞いているのですが…。

少年たちがステージで堂々と演技しているのを観ると、希望が持てますね。この子たちがきっと、伝統を受け継いでくれることでしょう。時を超えた伊能歌舞伎の復活と、これからを応援したいという気持ちで、ただただ胸が熱くなりました。子どもたち、とっても立派でしたよ!

ガマの油売り口上

続いて、場所を屋外の花崎町ステージに移し「ガマの油売り口上」を観ました。

成田伝統芸能まつり|ガマの油売り口上

ガマの油とは、江戸時代に傷薬として用いられていた軟膏のこと。のちに筑波山名物となり、行商人は口上を言いながらガマの油を売っていました。今ではこのような形で薬を売る人はいないようなのですが、口上だけが伝統芸として茨城県つくばで受け継がれているのですね。

あいにく雨が降る中での実演でしたが、巧みな話術にはぐっと引き込まれます。わたしも気が付けば傘を持っていることさえ忘れ、両手で拍手をしてしまうほど。刀を取り出し、1枚の紙をどんどん切っていく姿。その紙が小さくなり、紙吹雪となって宙を舞う様子には心が躍りました。

仙台すずめ踊り

成田伝統芸能まつり|仙台すずめ踊り

総門前のステージでは、宮城大学「娘すずめ。」のみなさんによる「仙台すずめ踊り」が披露されていました。「娘すずめ。」と書いて”こすずめ”と読むそうです。かわいらしいネーミングですね。大学のサークルだけあって、元気はどの団体にも負けません。フレッシュさがみなぎっていました。この時ちょうど朝から降り続いた雨が本降りになってきてしまったのですが……その雨さえも吹き飛ばしてしまうんじゃないかという勢い。ひとり一人が、とても楽しそうに踊っているのも印象的でした。

銚子はね太鼓

江戸時代末期から漁師町・銚子に伝わる「はね太鼓」。2人の打ち手が太鼓を担ぎ上げ、首とあばらで支える。打っては跳ね、跳ねては回るを繰り返し、太鼓もろとも宙に舞う。このスタイルは銚子はね太鼓だけのものだそうですよ。荒々しくも勇壮な姿に、わたしは時間を忘れ見入ってしまいました。ずっと見ていたい……そう思える銚子はね太鼓。

成田伝統芸能まつり|銚子はね太鼓

まだあどけない表情の残る少女たちも、打っては跳ね、跳ねては打ってを繰り返していました。軽快なお囃子と、身体いっぱいで表現する彼女たちの様子は、見る側に元気を与えてくれます。

秋田西馬音内盆踊り

秋田県羽後町西馬音内に伝わる「西馬音内(にしもない)盆踊り」は、日本3大盆踊りのひとつ。およそ700年前に始まったものと言われ、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。世界で一着しかない端縫いの着物を纏い、編み笠や彦三(ひこさ)頭巾で顔を隠して優雅に踊る女性たち。勇ましいお囃子とは対照的な、美しい踊りに惹きつけられました。

成田伝統芸能まつり|秋田西馬音内盆踊り

黒い覆面、彦三頭巾で踊る姿はなんとも妖しげ。西馬音内盆踊りが「亡者踊り」と呼ばれるゆえんは、ここにあるのだそうです。

奄美の島唄

成田伝統芸能まつり|奄美の島唄1

再び文化芸術センター3階スカイタウンホールに戻り、「奄美の島唄」を鑑賞。
沖縄のものよりも細い弦が織りなす三線の高い音色は、とても華やかに感じられました。また唄者の伸びのある声と独特の節回しは、わたしたちを一瞬にして南国の地へと連れて行ってくれたような気がします。

成田伝統芸能まつり|奄美の島唄2

会場が一体となって踊る様子。
観客たちもみな顔がほころび、ほんとうに楽しい時間を過ごすことができました。

武術 天真正伝香取神道流

成田伝統芸能まつり|武術-天真正伝香取神道流1

天真正伝香取神道流(てんしんしょうでんかとりしんとうりゅう)は、室町時代に香取神宮で飯塚家直によって創始された武術流儀。現在まで伝えられ、その歴史はおよそ600年にもなります。現存最古の武術流儀であり、千葉県の無形文化財にも指定されているんですよ。

成田伝統芸能まつり|武術-天真正伝香取神道流2

武術の披露は、まさに真剣そのもの。気迫が伝わり、会場は息を呑むほどの緊張感に包まれました。

おらんだ楽隊

成田伝統芸能まつり|おらんだ楽隊

香取神宮神幸祭の御座船渡航の時、引船隊として神楽を演奏したことが発端となる「おらんだ楽隊」。旗に書かれているように「香取神宮御座引船隊」が正式名称です。幕末から明治にかけて、旧来の神楽に西洋の文明を取り入れたことにより「おらんだ楽隊」と呼ばれるようになったんですって。カラフルな衣装も、そういった理由からなんですね。雨上がりの参道に響く高い笛の音が、とても心地よく感じられました。

秋田竿燈まつり

成田伝統芸能まつり|秋田竿燈まつり1

午後になって雨もあがり、中止になっていたイベントも続々と再開されていました。
そんな中、ひときわ多くの人でにぎわっていたのが「秋田竿燈まつり」。言わずと知れた、東北三大祭りのひとつですね。国指定の重要無形文化財でもあります。これが成田で観られるなんて!興奮した気持ちで、わたしもそばへと寄ってみました。

成田伝統芸能まつり|秋田竿燈まつり2

参加されていた法被姿の方に話を聞くと…なんと竿燈の提灯の数は46個!重さは50kgとのこと。長い竹の竿に連なっているので、体感重量はきっともっと重いことでしょう。バランスをとって真っすぐ立てることさえ難しいはず。それを手のひらで持ったり、肩や腰だけで支えたり。観ている方がハラハラしてしまいます。

成田伝統芸能まつり|秋田竿燈まつり3

熟練された職人芸とも言うのでしょうか。目の前で次々と繰り出される安定感のある技の数々に、観ている人からは歓声と拍手が沸き起こっていました。

猿回し

成田伝統芸能まつり|猿回し

成田の街でイベントがある時に、たびたび見かける猿回し。伝統芸能まつりにも来てくれていました。賢いお猿さんと相方さんのやり取りが、漫才コンビのようでなんとも言えません。果たして回されているのは猿なのか、人間なのか……(笑)

笑顔になれる、癒しのひととき!

山形花笠踊り

成田伝統芸能まつり|山形花笠踊り1

さて花崎町のステージに戻って……。こちらは、「山形花笠踊り」。花笠を持ち、民謡「花笠音頭」に合わせて踊ります。いいですよね、花笠踊り。わたしは祖母の影響で、幼いころから大好きなんです。はぁーやっしょうまかしょ♪って、手拍子しながら思わず合の手を入れてしまいました。

成田伝統芸能まつり|山形花笠踊り2

おっと、成田市観光大使の「うなりくん」登場! 伝統芸能まつりに合わせた浴衣姿もお似合いですね。ステージで披露される伝統芸能を熱心に応援する姿が、健気でか可愛らしい。

成田伝統芸能まつり|台方麻賀多神社神楽

成田市台方にある麻賀多神社の例大祭で奉納される獅子神楽です。始まりは400年ほど前。常陸国の一座が伊勢神楽系の十二神楽から御子神楽を奉納したことからだと伝えられています。まず雄獅子が舞い、次に雌獅子が舞います。獅子を担当しているのは、どちらも男性なんだそう。雄と雌では動きが全く違い、感動させられました。

成田伝統芸能まつりの成田の街での出会い

様々な伝統芸能を観るためにステージをはしごしていると、普段とは違った風景や出会いもあったりします。

日本文化を満喫する外国人との出会い

成田伝統芸能まつり|成田山表参道1

今年の夏に舗装されたばかりの成田山表参道・仲之町の石畳。
雨にぬれ、風情が感じられます。その坂の途中で……

成田伝統芸能まつり|成田山表参道2

袴姿の外国人に出会いました!

傘も手提げも、しっかりと“和”になっていますね。成田の風景と、とても馴染んでいるように見えました。思わずお声をかけて写真を撮らせていただいたのですが、とても気さくで笑顔の似合う明るい方でした。こうやって成田の地や日本の文化を楽しんでもらえているのだと思うと、嬉しくなります。

また、この日は成田観光館で浴衣の着付けが無料で行われていましたので、浴衣姿の女性や、カップルもちらほら。わたしはがっつり私服でしたが……(笑)。勝手に目に映る様子を楽しませていただきました。こういう時に和装をするのも、いいものですよね。来年はチャレンジしてみようかな。

江戸文字実演 鶯春亭梅八さん

成田の街に設けられた各ステージの周りには、伝統芸能にまつわるブースがありました。
そこでまず目を引かれたのが、「江戸文字」。相撲や歌舞伎、寄席などで目にするあの独特な図案文字です。目の前で書いていただけるというので、早速お願いすることに……。

成田伝統芸能まつり|江戸文字1

スルスルと、まるで絵を描くように形になっていく文字たち。そんな手元で、ひときわ強い存在感を放つ指輪が気になりました。聞くと、ハワイで実演した時にお客さまから頂いたとのこと。高い技術を海外でも披露して、日本の文化を伝えてらっしゃるのですね。色紙に筆を走らせる間も、梅八さんは楽しい会話でわたしたちを飽きさせないようにしてくれていました。なんと、セミプロの落語家さんとしても活動されているそうですよ!

成田伝統芸能まつり|江戸文字2

仕上がった作品がこちら。「なりナビ」という言葉に、なんだか箔が付いたような気がします。梅八さん、ありがとうございました。この文字に恥じないよう、「なりナビ」を立派なサイトにしていきますね。

田竹工芸

成田伝統芸能まつり|成田竹工芸1

江戸文字の隣では、成田竹工芸による子ども向けのワークショップが行われていました。作っているのは「竹とんぼ」と「せみしぐれ」。竹ならではの温もりが感じられるおもちゃですよね! 懐かしいと感じる大人の方もいるのではないでしょうか。

成田伝統芸能まつり|成田竹工芸2

職人技が織り込まれた竹籠も販売されていました。丈夫な竹で出来た籠は、何を入れるにも重宝しますからね。そのぶん、作るのは大変な作業なのだと思います。

成田伝統芸能まつり|成田竹工芸3

プロの手によって仕上げられた竹とんぼも売られていました。
自分の作ったものと、飛び方を比べてみるのもいいかもしれません。

水引でブローチを作る

ご祝儀袋などでよく目にする水引ですが、ほんとにいろんな結び方があります。
成田伝統芸能まつりでは、そんな水引でブローチを作るコーナーもありました。

成田伝統芸能まつり|水引ブローチ

写真は、水引でつくられた「うなりくん」。
細かなところまで、きちんと再現されています。立体的なものまで作れるとは驚きですね。

成田伝統芸能まつりのまとめ

いかがでしたか、2018年9月15日(土)「成田伝統芸能まつり」ステージ鑑賞レポート。
日本各地に古くから伝わる伝統芸能をじっくり楽しむには、あちらこちらと移動しながらステージ鑑賞をするのが断然オススメ。成田の街を歩きながら、または演技の合間にもさまざまな出合いがありますよ!

今年は残念ながら午前中いっぱい雨に降られてしまったのですが、晴れていたらきっとまた違う感動があったはず。わたしは、来年もまた必ず観にこよう!と心に誓い帰路につきました。みなさんも成田の地で歴史と文化と伝統芸能、そして温かい人々に触れあえる「成田伝統芸能まつり」に、ぜひ行ってみてください。

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