毎年9月の中旬に行われている「成田伝統芸能まつり」。
第5回の平成30年は、9月15日(土)16日(日)の開催でした。
全国各地からさまざまな団体が集い、成田の街に設けられた各ステージで伝統芸能が披露されるこのお祭り。でも……。あまりにも沢山ありすぎて、どこから観ようか迷ってしまいますよね。あれもこれも観たいけれど、あちこち歩き回るのはちょっと……という方もいるかもしれません。
そんな場合にオススメなのが、初日午後に開催される伝統芸能パレード。待っているだけで、次から次へと各地の伝統芸能を楽しむことができるんですよ!
今回わたしも小さな我が子を連れてパレードで多くの伝統芸能に触れてきましたので、その様子をお伝えしたいと思います。
午後4時からの始まりを告げる横断幕を先頭に、成田市長が沿道の観客たちに笑顔で手を振っていきます。
わたしたちの目の前を最初に通り過ぎた伝統芸能は、なんと台湾から!
さすが国際色豊かな街、成田。参加している団体は日本からだけではないんですね。
次に来たのは、「銚子はね太鼓」。跳ねてます!跳ねてます!
このあと……
床に叩き付けられた状態で太鼓を叩く!
下になった方の表情がなんとも苦しそうも見えたのですが……。
威勢のいいお囃子と、独特のスタイルに惹きつけられます。
続いて地元、成田エイサー美ら海会による「沖縄伝統芸能エイサー」。
指笛と太鼓の音が、成田に南国の風を吹かせてくれているような気がしました。
ザ・男!というふんどし姿で目の前にやってきたのは、兵庫県「大塩天満宮毛獅子の舞」。
この獅子、毛を振り乱しながらかなり激しく動いていました。
男の人が何人も獅子を支えているのもわかるような気がします。男気満点の大迫力。
千葉花笠会成田による「山形花笠踊り」。
思わず口ずさんでしまう「花笠音頭」に合わせて、ご婦人たちが一糸乱れぬ熟練された踊りで通り過ぎていきました。
来たー!徳島県から「阿波踊り」。
阿波おどり振興協会選抜連のみなさん。さすがです!
キレッキレの阿波踊り。これを間近で観られるなんて、うれしい限り。
女性陣はしなやかに。男性陣はたくましく。阿波踊りにもいろんな踊り方があるんですね。
ただ前に進むだけでなく、立ち止まって代表者が踊ったり、円になったり。くっついたり、離れたり。ストーリーがあって、まるでミュージカルを観ているかのよう。
こちらは熊本県「山鹿灯籠踊り」。
頭の上の灯籠がきらびやかで目を引きます。娘さんたち、重くないのかな……?
とっても優雅で上品な踊りを披露してくれていました。
華やかな歌声とともにやってきたのは、岩手県「盛岡さんさ踊り」。
緑色の着物姿で歌いながら踊っているのは‟ミスさんさ踊り“のみなさんですって。
華があります! 意外にも激しい踊りはスピード感にあふれ、見ていてとっても気持ちがよかったです。
伝統芸能パレードの最後を飾るのは、宮城県宮城大学“娘すずめ。”のみなさんによる「仙台すずめ踊り」。元気いっぱい、楽しそうに踊っている姿が印象的でした。
なんだかこちらまで元気が湧いてきちゃいます。
パレードが終了するとすかさず始まったのが、成田祇園祭の山車・屋台の引廻し。
日も暮れ始め、ライトアップされた山車・屋台はなんとも優雅。
成田の街には、やっぱり似合いますね。
薬師堂の前では、秋田竿燈祭の披露も始まりました。
仲町の坂を一気に駆け上がる成田祇園祭の山車・屋台と、天高くそびえる竿燈の競演を観ることができるのは、成田伝統芸能まつりだけ!貴重な瞬間を逃すまいと、多くの人がカメラを構えていましたよ(わたしもそのひとりなのですが……)。
異なった地域で長年受け継がれてきた伝統芸能を同時に堪能できるのは、成田伝統芸能まつりの醍醐味だと思います。
しなる竿、傾く提灯。それを支える巧みな技。近くで観る秋田竿燈は大迫力でした。
思わず「おぉ~」っという声が漏れてしまうほど。夜空に浮かぶ連なった提灯も美しいですが、その下で竿を持つ男性にも注目してください。男前です! 男前に見えます! 竿燈の見どころは彼らなのだと実感しました。
今回わたしは小さな子どもを2人連れて行ったのですが……。子連れでも十分楽しめました。むしろ、子連れに優しい! 成田伝統芸能まつり! そんな印象です。
パレードではいろんな獅子舞を観ることができたのですが、その獅子たちがみな子どもに福をくれに近づいて来てくれました! 下の子はちょっと怖がっていましたが、小学生の上の子は嬉しそうに自分から頭を近づけていっていましたよ。いいことあるかな~。
また鹿児島県「奄美の島唄」に参加されていたご婦人からは、パレード中にもかかわらず太鼓を叩かせていただく場面も。
竿燈を最前列で観ていた私たちに声をかけてくださったのは、法被姿のお兄さん。
「ちょっと来てみる?」と言われ、我が子たちを規制線のロープの内側へと招き入れてくれたんです。至近距離でのぞき込む提灯の中や、お兄さんの話に子どもたちも興味深々。きっと忘れることのできない体験となったことと思います。
わたしはわたしで、気が付けば隣に立つ見ず知らずの方と伝統芸能の感動について語りあっていました。同じ場所で、同じものを観て、感動する。その体験が人々の距離を近いものにしてくれているのかもしれませんね。
参加されている団体の方たちは、とっても気さくで親切な印象を受けました。
興味が惹かれた伝統芸能に出会ったら、参加されている方にどんどん話かけてみるのもいいと思います。成田伝統芸能まつりは、観るだけでなく人々との触れ合いも楽しめるお祭りでした。
毎年9月中旬に開催されている成田伝統芸能まつり。
短時間で一度にたくさん観たいなら、初日午後に行われるパレードがお勧めです。
そのままの流れで成田祇園祭の山車・屋台引廻しや、秋田竿燈祭まで堪能できちゃいますよ。小さなお子さん連れでも十分楽しめるこのイベント。参加団体や他のお客さんとの交流も魅力のひとつ。ぜひいちど足を運んで、成田の街で各地の伝統芸能に触れてみてください。