受付でもらったゼッケンを、走る時に着るTシャツへと安全ピンでつけました。ゼッケンは出場コースによって色分けされています。ハーフが白、10kmが水色、3kmはピンクでした。これなら走っているランナーを応援する時も、どのコースに出ているのかひと目でわかっていいですよね。
オレンジ色のカードみたいなものは、ランナーズチップ。このままゼッケンにつけた状態で走ります。そうすることによって個人のタイムがこのチップに記録されるんですって!ゴールするまで決して外してはいけません。小さいけれど、とても大切な役割をしてくれるものなのです。
競技場内では準備体操をしている人や、軽くトラックを走ってウォーミングアップをしている人たちがたくさんいました。いきなり走っては体に負担がかかりますからね。これ、とっても大事なこと。ランナーたちは、ちゃんとわきまえています。我が家の出走選手たちも、早速ストレッチをして体をほぐしました。
会場内の救護体制もバッチリです。他にもコールドスプレーやスポーツドリンクが用意されていたり、マッサージを受けられるコーナーもありました。様々なサポートのおかげで、ランナーたちは安心して走ることができるんですね。
9時になり、開会式が始まりました。成田市観光キャラクターうなりくんの姿もあります。ゲストランナーとして、ユニバーサルエンターテイメント所属の選手たちも来場していました。
開会式の後は、続々とランナーたちがスタート地点に並び始めます。脚力に自信のある人は前の方へ。ちょっと不安な方は後方へ。たくさんの人が同時にスタートを切るレース。混乱や転倒などの危険を避けるため、各自どれくらいのタイムでゴールできるかを目安に、立つ場所が区切られていました。
10時、まずはハーフマラソンの部がスタート。
目の前を颯爽とランナーたちが走り抜けていきます。速い!ハーフマラソンってそんなに早く走るものなの?軽やかで、間近に感じるスピード感は迫力もありました。タイムが勝負の選手たちがいる一方、思い思いの衣装で走ることを楽しむ選手たちも。応援するわたしたちも、「あ!」って思わず声が出てしまうくらい目でも楽しませていただきました。コスプレ姿でハーフを走りきるというのも、相当な体力がいるはずです。
さてさて。続いて10kmコースに出場する選手たちのスタートです。
夫は「1時間以内でのゴールを目指したい!」と言って、このプラカードの下へ並びました。いちおう元陸上部ではあるのですけれど。日頃の運動不足も、体型の変化もありますから…。無理は禁物。でも、全力でがんばってもらいたいものです。
10時20分、10kmの部スタート。
「がんばれ~!」「いってらっしゃ~い!」コース脇からは、家族や仲間たちの声援が飛び交います。スタート直後は、みなさんの足取りも軽やか。笑顔も見えました。
10時30分になると、3km中学生以上の部がスタート。部活動などで日ごろから体を動かしている若くて現役のみなさんの走りは、やっぱり違いますよね。猛スピードで目の前を駆け抜けていきました。
そして、いよいよ…。3km小学生・オープンの部。
まずは参加児童たちが集められ、スタッフの方より説明がありました。中にはオープン参加の保護者たちの姿もあります。こちらも他のコース同様、早く走れる人は前へ、自信のない人は後方へ。各自の予測タイム順に、スタート地点へと並びます。
学校のマラソン大会でも後ろから数えた方が早い順位をとってくる息子は、最後列付近へと並びました。うん、それでいい…。焦ることはない。走りきることを目標に、がんばろう。不安げに遠くを見つめる姿が、母であるわたしの心配をあおります。果たして息子は、本当に3kmを完走できるのだろうか。(息子:黄色いTシャツ)
10時35分、3km小学生・オープンの部スタート。
さっきまでの不安と緊張が入り混じった表情はどこへやら。どびっきりの笑顔で、息子が目の前を通り過ぎていきました。「がんばれー!」声をかけつつも、内心は「無理しなくていいからね」「お腹痛くなったら、歩いてもいいんだよ」と弱気な母のわたし。
全てのランナーたちがスタートして競技場から出ていくと、ゴール地点の準備が始まりました。ほどなくして、外周を走り終えた3kmコースの選手たちの姿が!速い人は、本当に速い。まだ余裕があるようにすら見えます。拍手と「がんばれ~」の声が、会場のあちらこちらから聞こえました。
夫はどれくらいで戻ってくるのだろう…。息子は無事にゴールの黄色いアーチをくぐることができるのだろうか…。続々とゴールしていくランナーたちに拍手を送りながら、わたしはまだ姿の見えない家族の心配をしていました。
競技場の中でわたしがハラハラしながら待っている間、我が家のランナーたちは懸命に走り続けていました。初めは平坦な道のり。徐々に増える上り坂。普段、車で通っていたときには感じられないような、長く緩い上り坂に苦しめられていたようです。まだ続くのか…。どこまで続くのか…。次第に思い通りに動かなくなっていく足と、少しでも前へ進みたいという気持ち。まさに己との闘い。もうダメだ、歩いてしまおうか。そう何度も思ったようなのですが。「がんばれー」「ファイトー!」弱気になったところに、沿道からの声援が届きます。気を持ち直し、前を向いて走る。応援してくれる人の声が、力になっていたんですね。参加する人も、応援する人も、ひとつになれる素晴らしい時間が彼らを勇気づけていたようです。
まだ、まだか、とランナーたちの姿を迎えるわたしの目に飛び込んできたのは、見おぼえのある黄色いTシャツ。息子です!ちゃんと帰ってきました。最後のトラックはフィールドから一緒に並走しようかと思っていたのですが、追いつきません。がんばって一生懸命走っている姿に、胸の奥から熱いものが込み上げてきます。
そして、無事ゴール!
ゼッケンについているランナーズチップは、外してスタッフに渡します。息子はもう、ゼーゼーハーハ―言いながら少し咳き込んでいました。きっと自分の限界に挑んで走りきったのでしょう。額から頬を伝う茶色い汗が、それを物語っています。
時間をおいて夫もゴール。2人とも、無事に帰ってくることができました。
走り終えたランナーたちは、ホッとしたような、何か大きなことをやりきったような、疲れよりも満足感でいっぱいの表情に見えます。
ランナーズチップに記録された結果は、ゴールするとすぐに「記録証」としてもらうことができました。3kmの部は順位とグロスタイム(スタート号砲からゴールまで)、それ以外の部は順位とグロスタイム、ネットタイム(スタート地点を通過してからゴールまで)が記載されています。はたして夫と息子の結果は…?
夫、10km成田市民男子40歳代の部113人中53位(種目順位)。
グロスタイム57分56秒。
息子、3km成田市民の小学生男子の部328人中290位(種目順位)。
グロスタイム20分39秒。
夫は1時間以内という目標を、息子は完走という目標を、どうやら達成できたようです。
よかった!2人とも本当にお疲れさま。
競技場の前には、いくつかのブースありましたので覗いてみました。マラソン大会らしくスポーツウェアやランニングシューズを特別価格で販売するお店。中には、こんなフォトスポットも!
月桂樹の冠を被り、まるで入賞の喜びを伝える有名ランナーのよう。目の前には入賞ではなく「完走」と大きく書かれているのですけれどね(笑)。でも、いい記念になりました。
そして、なんといっても走ったあとはお腹が空きます。ということで、食べ物のブースへ。チュロスや串焼き、ステーキ、ケバブなどがあって迷います。散々悩んで息子が選んだのは、このなが~いポテト!
疲れた体に塩分がしみわたりますね!(わたしは走ってないけれど)
心もお腹も満たされて、12時過ぎわたしたちは帰路につきました。
2018成田POPラン大会は11月11日(日)絶好のランニング日和の中、仲代運動公園陸上競技場にて開催されました。種目はハーフ、10km、3km(中学生上)、3km(小学生・オープン)。小学生以上なら年齢に上限はなく、誰でも参加できます。記録に挑みに、体力試しに、または走ることを楽しみに。ぜひ参加されてみてはいかがでしょう。走るのはちょっと…という方は、ランナーたちを応援しに出かけてみてください。きっと様々なドラマと感動に出会えるはず。