目次
「A Bar Cave riche」……~カーヴリシェ~。通称「エービーシー」。直訳すれば「豊穣の洞窟」とでもいったところでしょうか。店名はいかにも本格ワインを提供してくださりそうなオシャレな響き。実際、ワインソムリエがいらっしゃるワインもご飯も美味しい洗練された隠れ家的バーなのです。が、ひと味違うのが「本格ラーメンを食べられる!」ところ。
これは、気になる!気になり過ぎる!!
…と、いうことで参道にある「A Bar Cave riche」さんにお邪魔してきました。
成田山参道、セブンイレブンさん隣にある「A Bar Cave riche」さんの外観。スタイリッシュな入り口とワインのシンボルであるブドウがあしらわれた看板がじつに小粋です。
このランチ限定のこだわりラーメンを食べに来たんだ……! ん? 「ABC特製ラーメン」の下に添え書きされた「アボトン」の文字。これって我が地元千葉が誇るイベリコ豚以上にウマイと大評判の、かの高名なブランド豚ですよね…!否応なく高まる期待。さあ入店だ!!
「隠れ家テイストのワインバー」な感じの磨き抜かれた居心地のいいカウンター。木の滑らかな艶感がマッドテイストで渋く光ります。ダークブラウンの色調もあり、落ち着き払った雰囲気です。
カウンターは、天井側から下げられシャンデリアのように光きらめくワイングラスと、その下にずらりと置かれたワインボトルでバーの趣一色。こんなにもたくさんのボトルが出ているのに、お店に並んでいるのは半分に過ぎないとか。お店に常駐していらっしゃるソムリエ氏に相談すれば、究極の一本に出合えることは間違いなしだそう。
テーブル席も清潔でオシャレ。コンクリート打ち放しの壁とワイン蔵を彷彿とさせるレンガ壁が、隠れ家のワイン蔵テイストな雰囲気を盛り上げてくれます。
店内のブラックボード。片方のボードには、「ABCでワインを飲もう」の文字。その根拠は「現場にプロ(ソムリエ)がいる」、「マリアージュ(ワインと料理の相性)が大事」、さらに「ムダに高いワインはもったいない!!」。「安く飲むならABC」と締めてあります。確かに、美味しくてリーズナブルなうえにソムリエさんまでいるんだもんなあ……。納得。
オススメMENUには「ムール貝のパスタ」「牛ホホ肉煮込み」など、ワインと相性がよさそうなものがズラリ。
人気のフードトップ5。堂々の1位はチーズオムレツ。キッシュ、アボ豚ロングソーセージ、全4種のこだわりのピザと続き、チーズの盛り合わせ。
提供されるチーズにも熱烈なファンがいて、提供されるものは本格的なものばかりなのです。特にお店のイチオシで一番人気の商品は、月にたった一度しか入荷しない「水牛モッツァレラ」のチーズ。濃厚なのにあっさりとしていて圧倒的ミルキー感に心酔者続出だとか……!
『A Bar Cave richeさんの楽しみ方』なるガイダンスも楽しい。「Q1、白ワインに合う料理は?」「A、自家製キッシュです」「Q2、じゃあ赤ワインには?」「A,パテ・ド・カンパーニュです」という具合に、お店のオススメとこだわりや提案がブラックボードいっぱいに書かれています。そしてすべての食材が地産地消なり。安心安全で、しかも美味しい!
「A Bar Cave riche」ご自慢のビールについても記載されています。お店にはビールサーバーが6種類あり、生ビール4種類(珍しい種類のビールもお目見えしてます)に生シードルが楽しめるんです。このビールがまたウマイ! 美味しさのヒミツは注ぎ方にあり。なんとスタッフさんはお店独自に定められた厳しい試験に合格しないとサーバーから注ぐ権利を持てないんですよ。ふわふわの綺麗な泡の、きりっと冷えた生ビール……美味しくないわけがない!
「ランチラーメンはじめました」という文字と共に「ソムリエ特製ABCラーメン」(しお/にぼししょうゆ)、「油そば」「まかない素ラーメン」の文字が。この特製ランチラーメンは2018年の5月中旬からスタートしたばかりとか。ソムリエの繊細な舌とラーメンを知り尽くしたラーメン研究家がコラボした究極のラーメンなのです。
こちらのメニューにはトッピングの概要が詳しく記載されています。基本はとり肉、長ネギ、メンマ、水菜という組み合わせですが、「ABCラーメン」はこれらの基本のトッピングのほかに、アボトンのローストポークが。迷わずお店の名が冠された「ABCラーメン」のにぼししょうゆ味をオーダー。
ツイッターやインスタグラムに投稿すると、ソフトドリンンクをプレゼントしてくださいます。うれしいサービスですよね。
「ABCラーメン」です。麺は北海道小麦100パーセント、スープも麺も無添加、野菜は地元千葉県産、アボトンのローストポークがチャーシュー代わりというところにワインバーのこだわりが垣間見えます。
北海道小麦100%にこだわった、もちもち太麺。あっさりした味付けながら、奥行きある繊細な味のスープにとてもよく絡みます。食べ応えがあり、喉越しもつるりと滑らかです。
チャーシューと呼ぶなかれ。アボトンのローストポーク。分厚い!! ローストポークは、その日に焼いたもので味付けは塩胡椒のみという、シンプルながらアボトンのうまみを最大限に引き出したお店こだわりの逸品です。ローストポークをひと口食べると、歯ごたえがありつつもやわらかでジューシー! 肉汁がジュワリと溢れ出します。味わい深く繊細なアボトンがじっくりローストされているので、これ一品でも料理として見事に成立する味です。
「A Bar Cave riche」さんにて食させていただいたラーメンは、敬意を込めて”おラーメン”とでも呼びたいような、上品さと繊細さが同居し奥深さを感じるラーメンでした。ソムリエの鋭い舌によって雑味を極限まで淘汰された、完成度と格調と満足度がとても高いラーメンなのです。まるでワインバーとしての高い経験値や誇りまでもが、スープの一滴にまで凝縮されているようでした。ごちそうさまでした!