ナポリタンやオムライス、カレーライスや生姜焼き。
そういった素朴な料理の味にこそ、そのお店の地力が反映されます。
なぜなら、ごまかしがきかないから。
ひと口食べると思わず「あ、ウマイ」と呟きたくなる料理の数々。
丁寧に淹れられた、澄んだ深い味のコーヒー。
忙しい日々の時間の隙間に訪れるだけで、我知らずほっとゆるんでしまいます。
ログハウス調の店内で、くつろぎと誠実で滋味に満ちた料理やコーヒーを味わせてくださるモックさんには、何度でも通いたくなるのです。
公津の杜駅にあるモックさん。
三角屋根と白亜の外観が目印です。
山小屋を彷彿とさせる店内のカウンター席です。
間接照明と外光が、よく磨かれた床や、いい感じに年月を重ねたぬくもりのあるカウンターを照らします。
店内に流れるのは、まったりとくつろげる時間です。
ランチタイムには憩いを求めるサラリーマンのお客さんとモックさんのランチの美味を知る常連さんたちで溢れてしまうのですが……。
こだわりのコーヒーは、サイフォンで一杯ずつマスターが淹れてくださいます。
熟練の流れるような手つきに思わず見入ってしまいます。
立ち昇るコーヒーの深いアロマも、また素晴らしいのです。
モックさんのオススメのセットメニューです。
手書きの力強い文字がいい味を出しています。
さらに手の込んだ手描きのメニューが。
添えられたイラストはモックさん名物のナポリタンで、ある意味かなり写実的。
「野菜たっぷりナポリタン」という名前にある通り、本当に具沢山なんですよ。
ほどよい茹で加減のスパゲティに角のない味わいのケチャップがよく絡んでいます。
ウインナーとざく切りのピーマンとトマトに、たっぷりのマッシュルーム。
食感を大事にしつつも、よく炒められた玉ねぎがこんもりと乗った逸品なのです。
2種類のシチューの手描きメニューです。
よく煮込まれて味の沁みた具材を口の中に入れると、ほどけるようにとろけます。
格式ばった老舗の洋食屋さんと堂々と渡り合える仕上がりの、モックさん自慢のメニューなのです。
午前9時から11時までのモーニングのメニューです。
これまた逸品と誉れ高ききつね色に焼かれた厚切りトーストに、サラダと玉子とドリンクがついたお得なセットです。
モーニングAセットにすると、トーストがホットドックになります。
モックさんで出されるホットドックはウインナーがジューシーなので、選ぶときにとっても迷います。
メニューは、コーヒーの味や香りを邪魔しないものばかりです。
玉子サンドやミックスサンドなどのパンメニュー、新鮮な野菜たっぷりのサラダメニュー、カレーライスやピラフなど単品のフードメニュー。
それらにサラダとドリンクが付いたセットメニュー、クリームみつ豆などの各種デザートにケーキセット。
ホットケーキも美味しいのです。
ドリンクメニューです。
ブルーマウンテンからグァテマラなど酒類がすごく豊富で、コーヒー好きにはたまらない品ぞろえです。
紅茶も美味しいです。
フレーバーなどではなく本当の果実を使ったバナナジュースなども人気です。
オーダーした生姜焼きライスセットがやってきました。
色鮮やかな上にこんもり!
やわらかいお肉に生姜焼きのたれがよーく絡んでいます。
ざく切りの玉ねぎは歯ごたえを残しつつもよく炒められており心地の良い甘み。
モックさんの丁寧なお仕事ぶりがにじみでていました。
添えられたサラダもたっぷりでしゃっきりしており、自家製ドレッシングのまろやかさのある酸味が箸を進ませます。
ホットコーヒーです。
一緒にテーブルへ置かれたのは、スティックシュガーではなく飴色のザラメ、ポーションミルクではなく、きちんとミルク。
そんなところにモックさんのこだわりが現れています。妥協していない。
コーヒーの味わい深さは、いわずもがな。
雑味のない澄んだ味わいに、まろやかさとほのかな酸味、コクの深さが混然一体となっています。
なんとも味わい深い一杯に心もほっと和みました。
ここ成田市におけるモックさんの歴史は長いです。
それだけいろんな人たちに愛されてきた証拠でしょう。
即ちそれは、モックさんが訪れる人ひとり一人を愛してきたことと表裏であると感じます。
手作りの野菜たっぷりフードメニューに厚切りトースト。
一杯ずつ丁寧に淹れてくださるコーヒー。
テーブルに出てくるすべてが、モックさんからお客さまへの愛情の証左です。
そして提供されるメニューの美味しさと満足度。
お店のウッディーな癒しの空間や飾らない雰囲気、マスターのお人柄も人を強く惹きつける理由でしょう。
それはもう磁力といって差しさわりない。「来てよかった」、「また来たい」。
モックさんは、そんな風に思わせてくださる素敵なお店でした。