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きつね色に焼けたトーストに、とろーり金色のはちみつ。テッパンかつ黄金コンビですよね。そんなトーストと蜂蜜のように、アートと美味しい食べ物も実に親和性が高いのだと、「TOAST AND HONEY(トースト アンド ハニー)」さんにお邪魔してはじめて知りました。
瑞々しい感性で作られた楽しいアート作品を鑑賞する→メンタルが潤う。
地元で採れた新鮮な野菜を使った美味しい料理とこだわりの豆で淹れたコーヒーを楽しむ→ボディが潤う。
食とアート。ふたつのもので心と身体という器が満杯になるほど満たしてくださるアートカフェ「TOAST AND HONEY」さんは、本当に素敵なお店なんです。
成田国際空港から2つ隣のJR成田線下総松崎駅にほど近い場所に「TOAST AND HONEY」さんはあります。のどかな田園風景の中にあるリノベーションされた古民家が店舗です。
「OPEN」の看板。看板ですらおしゃれなコラージュ作品みたいで、すでに入り口からアーティスティックな雰囲気が漂ってきます。
古民家の中に広がる癒しのおしゃれ空間。レトロモダンな色ガラスと思いきや、水彩のようなにじみ感のあるテイストで彩色された格子状のガラス窓でした。光に照り映えてすごく美しいです。ゆったりとしたソファ席がくつろげます。
瀟洒なランプシェードが照らす木製のカウンターには、ぬくもりが感じられます。
昭和の古民家テイストの家具にアンティーク調のシャンデリア。懐古主義的な空間のように見えて、やわらかな色彩の絵や写真、まどろむ子どもの形をしたレプリカ?など、たくさんのアート作品が。遊び心がいっぱいです。
店内と店外に散在する「隠れた顔」たち。小さなお子さんたちが楽しそうに探していらっしゃいました。
どの顔も、のどかでユニークな表情をしています。
ランチのメニューです。メインは「牛すじのラグソースの生パスタ」、「地元産古代米黒米のクリームリゾット」、「桃と生ハムとチーズと地元野菜の自家製冷製パスタ」の3種から選びます。どのメニューにも地元で採れたたくさんのサラダとスープ、「TOAST AND HONEY」さんのスペシャルティコーヒーなどのドリンク、自家製デザートがつきます。
ドリンクやスイーツ、軽食などのメニューです。メニューの一つひとつにこだわりを感じます。
「牛すじのラグーソースの生パスタ」のランチ(1,300円)です。赤、緑、金色で構成された色彩も艶やかですが、野菜のみなぎる力強さと新鮮さに目を見張りました。この地で育てられて収穫された生命力に溢れた野菜は、生き生きとして色も味も濃いのです。
サラダです。葉物は青々としていて食べたそばから元気になれる感じ。にんじん、かぼちゃ、さつまいもといった根菜はスチームされていて本来の甘さが最大限に引き出されています。バジル風味のドレッシングも爽やかでとても美味しかったです。黄金色のスープはていねいに炒められた玉ねぎの優しい甘みがよく感じられるオニオンスープでした。
「TOAST AND HONEY」さん自家製の生パスタはもちもちと弾むような食感で、ほろほろになるまでじっくりと煮込まれた牛筋のラグーソースがよく絡みます。お肉の美味しさと新鮮な野菜が、互いに引き立て合っていました。
上にたっぷりかけられたチーズは、目の前で削って下さるという本格イタリアンレストラン並みの細やかなサービス。
「桃と生ハムとチーズと地元野菜の自家製冷製パスタ」のセット(1,500円)です。
季節メニューでもあるこちらのパスタは爽やかな酸味が効いていて、とろけるような桃の果肉の甘さをさらに引き出していました。たっぷりの生ハムとチーズの塩味と緑の味が濃厚で強い新鮮な野菜が見事に調和したひと皿です。
桃が一個丸ごと使用された、それぞれの食材の甘み・酸味・塩味・苦味がハーモニーを奏でるかのような、ハイクォリティな冷製パスタでした。恍惚としてしまうような味です。
自家製スイーツは人参とクルミが練りこまれたケーキのバニラアイス添えです。甘さ控えめで寄り選った素材の風味が際立ちます。ニンジンの甘みとこりこりとしたクルミの食感が楽しい、とても美味しいケーキでした。「TOAST AND HONEY」さんのオリジナルブレンドコーヒーもコク深く香り高く素晴らしいのひと言でした。コーヒーを注ぐ凝ったデザインのカップ&ソーサーも、アンティークの品というこだわりよう。
「TOAST AND HONEY」さんは、お店の空間全体がまさにアートで、そこで提供されるのは、こだわりの本格的で美味しい料理。目に楽しく、舌に美味しく、地元で採れた力強い野菜が身体に優しい、一度伺うだけで10日ぶんほどの英気は容易に養える本当に素敵なお店でした。きっと一度お伺いすれば、誰しも折に触れて訪れたくなるであろうお気に入りのお店となるのは、予想に難くないです。