12時20分。表参道の入口から、踊り手たちがスタート。
私は仲之町の坂で待つことにしました。
まずやって来たのは成田市観光キャラクター、うなりくん。
続いて、「平和大塔まつり奉納総踊り」の始まりを告げるボードと共に市長たちが通って行きました。今年は、「奉祝 天皇陛下御即位」の文字が入っています。
そしていよいよ…。揃いの浴衣を身にまとい、笠をかぶった女性たちが踊りながら目の前をゆっくりと進んでいきます。軽快な「成田交通安全音頭」、川中美幸さんが唄う「光いっぱい成田山」、成田山開基本1080年記念音頭の「心はればれ成田山」、そして市民にはと~っても馴染みのある「成田大音頭」。この4曲が順番に流れ、踊り手たちは優雅な踊りを披露してくれます。どれも、成田を唄った素敵な曲ばかり。観ている私も、歌詞にある情景を思い浮かべながらつい口ずさんでしまいました。
踊りの列は、坂のずっと上まで続いているのが見えます。
これだけ多くの人が一斉に踊り通り過ぎていく様子は、何とも言えない迫力があります。みなさんこの日のために、日々練習を重ねてきたことでしょう。そろった動きがとても美しく、感動しました。
参加されているのは旧成田町7町(東町・本町・田町・仲之町・上町・幸町・花崎町)の女人講をはじめ、周辺企業や団体など、年齢層も様々。その多くは女性たちですが、少数ながら男性も参加されていました。キレイに浴衣を着こなす姿は、粋ですね~。男性の踊りには、しなやかな女性の踊りとはまた違った魅力が感じられます。
踊りの列は仲之町の坂を下り、成田山新勝寺総門前へ。
日差しも強く、どんどんと気温が高くなる中、休憩もなく踊り続けるのは大変なことだと思います。それでも踊り手のみなさんは笑顔を見せ、疲れなど微塵も感じさせない踊りを披露してくれていました。その姿に、私も元気をたくさんいただきました。
踊りながら総門をくぐり、仁王門へとつづく階段の下がゴール地点です。
暑い中、踊りながらの道のり本当にお疲れさまでした!!
14時50分。大本堂の前には、参道を踊り歩いてきた踊り手たちが大集合。
中央を向き合い、「心はればれ成田山」を踊ります。
踊りを披露し続ける踊り手たち。その中央にできた花道に、お坊さんたちが登場しました。
なんという光景でしょう。まるで、踊りの波が打ち寄せる海に現れたいっぽん道を歩くかのよう。とても特別なものを見ているような気分になりました。
お坊さんたちが大本堂前に整列すると、「成田大音頭」が奉納されました。総勢800人以上が一斉に披露する揃った踊りは、列をなして参道を歩いてきた時とはまた違った優雅さと迫力を兼ね備えています。あぁ、見に来てよかったなぁ…と実感!
「成田大音頭」を踊り終えた後は、大本堂へと入っていくお坊さんたちを踊り手たち全員が合掌して見送りました。そしていよいよ、平和大塔へ。
1984年(昭和59年)に弘法大師1150年の御遠忌にあたって建立された、この成田山平和大塔。5階建ての塔で、高さは約58メートルもあります。遠くからでもその存在を確認できる、成田山のシンボル的な建物でもありますよね。その塔へ向かい、東町の女人講さんたちを先頭に踊り手たちが踊りながら進んで行きます。
大本堂をぐるりと囲む踊り手たち。成田山平和大塔を一周踊り回って、戻ってきます。列はまだまだ続いていました。次から次へと、大塔に向かう踊り手たち。戻ってくる踊り手たち。その行き交う姿に、間近で見ていた私は魂がゆさぶられるような感覚に陥りました。「成田山平和大塔まつり奉納総踊り」の素晴らしさは、多くの踊り手たちによって作り出されているのですね。
ほんの少し日が傾き始めた頃、全ての踊り手たちが平和大塔での踊りを終え、令和元年の「成田山平和大塔まつり奉納総踊り」は幕を閉じました。暑い中、みなさん本当におつかれさまでした!素晴らしい踊りを、ありがとうございます。
令和元年の「成田山平和大塔まつり奉納総踊り」は、5月11日(土)に開催されました。
参道から成田山へと向いかう踊りの列はどこまでも続き、とても華やか。また、大本堂前で800人以上が一斉に踊る姿は、観ている人を異次元へと連れて行ってくれるような感覚にも陥る神聖さ。必見です。「成田山平和大塔まつり奉納総踊り」は毎年5月に開催されていますのでまだご覧になったことのない方は、ぜひいちど訪れてみてください。