かねまつ食堂さんで頂くマグロは、本当に贅沢な味がします。
スーパーマーケットや回転寿司で食べるマグロも美味しいですが、いかんせんマグロの格が違う。
目を見張るほど肉厚で、新鮮な身にぎゅっと詰まった濃厚で豊かな味わい。
ひと口食べると顔がにやけて舌がとろけます。これぞ、本物のマグロ。
それにかねまつ食堂さんに行けばマグロだけではなく、どんなメニューも大ボリュームでリーズナブル。旬の美味しい鮮魚料理が、いつでも迎えてくれるんです。
公津の杜駅にある成田市場。ここの一角にかねまつ食堂さんはあります。
昭和レトロな外観。なんとも懐かしい気持ちになります。
看板のフォントや藍地ののれんも、いい味を出しています。
誰もかもをあたたかく迎えてくれるオールウエルカムな、気取らない雰囲気がとっても素敵です。
本日のおすすめ品がずらりと書かれた、店外のホワイトボードです。
「カツオ刺身定食」は、残念ながら品切れでした。これも人気店ゆえの洗礼なり。
次回はもっと早く来ようと決意。
お店のオープンが朝の5時30分というところが市場にあるお店ならでは、です。
5、6種類ほどの新鮮なお刺身をどーんと提供してくださる「刺身盛り合わせ定食」(1,100円)、25センチはあるプリプリの大きなエビをぜいたくに2本も使った「ジャンボエビフライ定食」(1,100円)は、かねまつ食堂さんの看板メニューでもあります。
使い込まれた感のある椅子やテーブルは、たくさんの人たちに愛されてきた何よりの証拠。掃除がすみずみまで行き渡った店内は、とても清潔で明るい陽の光に満ちて、ほっこりと落ち着けます。
カウンター席とテーブル席が数席の、こぢんまりと居心地のいい空間です。
「マグロの刺身定食」(1,100円)をオーダーしました。赤身とトロの黄金コンビです。
トロの薄ピンク、赤身の鮮やかな朱、わさびの緑の色彩が醸しだすコントラストの美しさもさることながら、お刺身がびっくりするほど分厚い!
一切れひと切れがプリッリッと、はちきれんばかりです。
そして本当に身がきれい……。熟練の職人である大将だからこその成せる技でしょう。
ほかほかで山盛りの白米も、具だくさんのお味噌汁も食欲をそそります。
なにより、”山盛り”なところにおかみさんの愛情をひしひしと感じます。
お刺身の肉厚ぶりや質の良さ、新鮮さ、サクドリの完璧さ。
言葉などよりもは、るかに雄弁に物語る一枚です。
マグロの身が、つやつやで宝石みたいですよね。きらきらしています。
マグロの中で脂分の多いトロは、口の中に入れるととろけるから「トロ」。
ストレートなネーミングながら、これほどぴったり&納得する呼び方もないですよね。
脂が乗りまくった極上のトロのとろとろ具合、ほんの少しでも伝わるとよいのですが……。
ぶ厚いトロを、いざ……!口の中に入れると、豊かな脂分が口いっぱいに広がりとろけていきます。
それでいてまったくしつこくなく、脂にトロの甘みと旨味が目いっぱい凝縮されている感じです。赤身のほうは、ねっとりと濃厚な味で、しっかりとした歯ごたえながらプリプリと柔らか。赤身の旨味が最大限に表現されていました。はー、至福。ご飯がどんどん進みます。
こちらのマグロの美味しさに、かねまつ食堂さん以外のマグロが食べられるか心配になってきたくらいです。なにせ、かねまつ食堂さんのマグロこそ”マグロ・オブ・マグロ”なんですから。
かねまつ食堂さんの醍醐味は、マグロだけにあらず。
旬の一番おいしい魚を、最も適した調理法でご提供くださるところです。
「ジャンボエビフライ定食」は大きいだけじゃなく、エビのプリリとした歯ごたえと旨味が最大限に感じられます。どんぶりからはみ出るサイズの「特上穴子丼」は、からりと揚げられていて、それに絡むタレがまた絶妙なのです。それらの美味しさは魚を愛し、魚と向き合い、魚を知り尽しているがゆえ。
そして食堂へと続く藍地ののれんをくぐれば、笑顔が素敵な大将とおかみさんが出迎えてくれます。お二人のお客さんに対するサービス精神と愛情が、提供される料理の価値を倍々に引き上げてくれているのでしょう。
美味しいお魚料理が食べたくなったら、ぜひかねまつ食堂さんを訪れてみてください。成田市場開業以来、長きにわたってたくさんのファンを生み出してきた理由が、舌で、そして抜群の居心地の良さで、きっとご納得いただけるはずです。