今回は、宗吾霊堂門前にある「甚兵衛そば」に行ってきました!このお蕎麦屋さんには以前からよく通っていたため、今回ご紹介できることをうれしく思っています!
歌舞伎の演目のひとつに、「佐倉義民傳」があります。下総国印旛郡公津村の名主木内惣五郎(通称「宗吾様」)が、重税に苦しむ領民を助けるべく領主への再々の直訴の末、ついに四代将軍家綱への駕籠訴に成功しました。惣五郎は磔、子供四人は斬首となりましたが、その義挙により以後税の軽減がなされています。
印旛沼の渡し守であった甚兵衛は、将軍直訴のために江戸へ向かう手配中の惣五郎を対岸に送り届けたのち、自らは印旛沼に身を投じたと伝えられています。甚兵衛との涙の別れを演ずる勘三郎に、「中村屋!」の声がかかる場面です。惣五郎を祀る「宗吾霊堂」と「甚兵衛そば」が、道路を挟んで寄り添うように位置しているのはとても感動的です!
早速お店に入ると、古き良き伝統を今に残したような落ち着いた雰囲気が漂っていました。
さすが老舗だけあって、椅子にも家紋を入れるほどのこだわりようでうす。
店内には、お土産も多数置いてあり、宗吾霊堂周辺で急いで買わなくても「甚兵衛そば」でお昼を食べてから、ゆっくりお土産を選ぶのも悪くありませんね。ちなみに、このお土産にもなっている「乾麵蕎麦」にはちょっとした逸話があります。
かつてこの「乾麵」は、鉈で切って整えていたそうです。なぜ鉈を用いていたかといいますと、甚兵衛渡しの船頭が船を結ぶ縄を切るのに使っていたらしく、それにちなんで麵を切る際も鉈を用いていたそうです。
手元にメニューはなく、注文は受付にて前払い形式で済ませて札をもらい、席にて蕎麦が来るのを待ちます。ちなみにメニューは、「甚兵衛そば」(470円)、「かけそば」(470円)、「玉子とじそば」(580円)、「月見そば」(580円)、「肉そば」(630円)、「乾めんそば」(1100円)になります。
甚兵衛そばのオススメは、店名そのまま「甚兵衛そば」!シンプルな「ざるそば」ですが、これを食べるためだけに遠方から来られるお客様も少なくないとか。ちなみに、セイロが船の形をしているのは、これも船頭であった「甚兵衛」にちなんでのものであり、特許も取得済みとのことです!
さて、今回注文したのはお店一押しの「甚兵衛そば」です。早速いただいてみましょう。
これは絶品!ツユが適度な濃さで、それでいて麵本来の風味を殺さず、手繰るたびにそば粉の香りが鼻を抜けていきます。麵自体にもコシがあり、適度な硬さで食べやすい!長きにわたり愛されてきた理由がわかりますね!
おそばを食べると、セットで「そば湯」が来ます。「そば湯」の飲み方は、人それぞれですが、私の飲み方は、食べ終わったあとのツユにそば湯を入れる飲み方です!
「甚兵衛そば」は「宗吾霊堂」の向かいにあり、駐車場も完備しています。
人気のお店ですので、休日や祝日ともなりますと大変混雑しますが、並んででも食べる価値があるお店です。霊堂参拝の折りには、ぜひ足を運んでみてください!