湯気の立つホカホカ大盛の白米には「米倉食堂」さんのおかずが実によく合います。甘辛いちょっと濃いめのタレがクセになるニンニク焼肉。ざくざくの衣に包まれた豚肉が甘くてジューシーなトンカツ。
肉厚で脂が乗ったアジフライ。粒の大きなカキフライ。ロース焼肉、豚の生姜焼き、柚子味の焼肉、トンカツ、ヒレカツ、チキンカツ…。肉のおかずばかりをあえて列挙しているのではなく、「米倉食堂」さんのおかずは圧倒的に肉率が高いのです。
がっつり肉のおかずが食べたい!けど、味も美味しいのがいいな!…そんなわがままをさらっとかなえて下さるお店は成田にはきっと「米倉食堂」さんしかありません。
なんとも味のある佇まい。まるで映画の人情食堂のセットみたいですが、セットにあらず。「米倉食堂」さんのお店の外観です。このこぢんまりとしたお店が恍惚美食の殿堂だということは、開店前から詰めかけてくるたくさんのお客さんがなによりの証明。そして成田近辺の食堂愛好家に知らぬものはいないという人気店です。
お店の外壁の営業時間のアナウンスの看板です。手書きなことも相まってものすごく味があります。
昭和レトロな店内です。風情が溢れまくっています。素敵。店内にはテーブル席のほかに小上がりにお席があります。おろかにもお昼時におうかがいして、あまりの盛況ぶりに待たせていただくことに。指をくわえてお店をリサーチしていたのですが、お客さんがまったく途切れることがありませんでした。食べ終えたお客さんがみんなピカピカのいい笑顔で帰って行かれるのもとても印象的でした。美味しいご飯は人を笑顔にしてくれます。
メニューです。焼肉定食からはじまり、お店の人気メニューのニンニク焼肉定食を経て、焼肉のバリエーション違いが各種。トンカツ定食もバリエーションが各種。丼物もカツ丼と肉丼。ほとんどのメニューが肉のおかずで溢れています。肉好きガッツリ派にはたまらないラインナップですよね。「米倉食堂」さんの素敵なところは大盛価格にすればおかずも大盛にできるというシステム。普通盛りでもものすごい量なのですが…!でも、美味しいから食べることができてしまうんですよ。大盛りにしたご飯ともども。
待つこと数分。生姜焼肉定食がやってきました。ご覧の通りの大ボリューム。美味しそうな光景といい匂いに、視覚と嗅覚がすでに幸せです。メインの生姜焼きのほかに具沢山のお味噌汁、小鉢にはシャキシャキのお新香と生姜がたっぷり添えられた冷奴が付きました。栄養バランスがいいです。デザートもあるんです。なんと杏仁豆腐です。
焼き加減やよしの生姜焼きの色艶にほれぼれしてしまいます。肉厚でジューシーな豚肉にたっぷりと絡んだ「米倉食堂」さん特製の熟成甘辛タレには生姜の風味がしっかりと感じられ、とにかくご飯をもりもりと進ませてくれます。
飴色に照り映える生姜焼き。すごくお肉がやわらかく、焼き加減も絶妙なので香ばしいんです。特製タレも強い味の中に膝を打ちたくなるような繊細な旨味があって、そんなところに「米倉食堂」さんの熟練の技量がきらきら光っているのです。
シャキシャキで甘いキャベツの千切りは「添えられた」というレベルじゃないです。もはや山岳。でも、この量がやっぱり嬉しいです。
ご飯は普通盛りですが、どんぶり飯です。絶品生姜焼きによって生じるご飯需要をきっちり満たしてくれる量です。ご飯自体も本当にふっくらほかほかで、お米が甘いです。
「米倉食堂」さんは「食堂」と聞いて思い浮かべるイメージの具現化にして、味もボリュームも人情味も「こんな定食屋さんあったらいいな」と思い描いた理想の定食屋さんの具現化のようでした。
ボリュームもさることながら、一切の手抜きを感じさせない味です。それは年月に培われた料理スキルのたまものと表現しても過言ではないでしょう。このボリュームと隙のない美味しさが、たくさんのお客さんに愛される理由なのだとお店にうかがってみて肌身をもって感じることができました。
ずっと通いたくなる「米倉食堂」さん。このお店が、成田にあってくれて本当によかった!