桜の開花情報もちらほらと、本格的な春の訪れを感じます。
並木町の手打ちそば店「まごころ庵」に行ってきました。
こちらは、北海道の契約農家から産地直送された玄そばを使った
「ひきたて、打ちたて、ゆでたて」の三たて二八そばが味わえるお店です。
障がいのある人に就労支援をする多機能型事業所「ビーアンビシャス 」が運営しています。
製麺作業担当は五人の利用者さん。
そのうち2人はこの道10年の熟練の技で毎朝そばを打っています。
集中して作業を行っている朝の厨房に、そばを打つ音だけが響いていました。
「まごころ庵」の開店は11時半。早めに到着したので、一番乗りでした。
窓際に飾られている五月人形が、黒塗りのテーブルが並ぶ店内で際立っています。
着席するとすぐ、お茶と共に小皿が運ばれてきました。
これはそばを油で揚げた「そばチップ」と言うのだそうです。
そばをこんな風に味わえるのは驚きでした。
一番人気の「かきあげせいろ」を注文しました。
そばチップを味わいながら待ちます…
次々とのれんをくぐり、人が入って来ます。
開店から5分も経たないうちに、あっという間に店内8つのテーブルは満席になりました。
週末は特に、家族連れなどで賑わうそうです。
「一番人気のかきあげせいろです」
と、お膳が運ばれてきました。
終始にこやかに、施設利用者の皆さんが業務を分担し店内で接客しています。
三たてのそばは香り豊かでコシがあり、海老やイカ、ネギの入ったかきあげはふんわりと薄衣に包まれてサクサクの食感でした。
食べ終える頃、そば湯も運ばれてきました。
コクのあるそば湯が、三たてそばの味わいをさらに深めてくれます。
まごころ庵では、就労支援という形で事業所スタッフと利用者が、それぞれの個性に応じた指導のもとに日々の職業訓練と作業を重ね、製麺作業や接客業務を分担しています。
「まごころ」はお互いを思いやる心として、又この四文字のやさしい響きが、そばの味を通じて「おいしさ」として分かちあえるようにとの思いから名付けられたとのことでした。
バリアフリーの店内で、心とお腹がいっぱいになりました。
たくさんの笑顔に見送られ、店をあとにしました。