目次
毎年成田山では夏の訪れを彩る豪華絢爛なイベント、「成田祇園祭(なりたぎおんさい)」が7月前半の金曜日、土曜日、日曜日と3日間開催されます。毎年約45万人から50万人ほどの見物客が日本各地から集まり、成田祇園祭を一目見ようと押し寄せます。
きらびやかでありながらどこか凛とした、重厚さを感じる職人の手による彫刻や装飾を施した10台以上の山車(だし)と屋台、そして神輿1台が登場し、3日間に渡り成田山表参道やその周辺を周ります。大きな掛け声と共に驚くほどの熱気で神輿を担ぐ男性陣の姿からは圧倒的なエネルギーが放たれており、神々しくさえもあります。
そんな成田山が誇る夏の到来を知らせる一大イベント「成田祇園祭」。各日程ごとにオススメの見どころやポイント、成田山祇園祭の歴史、交通アクセス情報などをまとめました。
成田祇園祭は7月7日、8日、9日に一番近い金曜日、土曜日、日曜日の3日間を通し行われる迫力満点の壮大なイベントです。
「山車(だし)」「屋台」と呼ばれる巨大な車輪のついた台車を綱で引っ張りながら町内を練り歩いたり、各町内の若者がお囃子に合わせて威勢よく踊ったりと、とてつもない熱気があります。
ちなみに「屋台」というのは出店の屋台の事ではなく、「山車(だし)」と同じ大きな台車の事です。「屋台」と「山車(だし)」の違いは歴史上の有名な人物をモチーフにした人形が乗っているか?いないか?の違いです。
となっています。ちょっとした事ですが覚えておくとより成田祇園祭を楽しめるでしょう。
では早速、成田祇園祭が行われる3日間の日程別見どころを見ていきましょう。
13:30~より成田山新勝寺大本堂前で開始
第1日目は毎年3日間の開催が事故無く無事に出来るように祈る安全祈願と、開催を祝う鏡開きという厳粛な行事から始まります。まずは各町内から屋台や山車がそれぞれ成田山新勝寺の大本堂を目指し練り歩きます。
各屋台や山車がそれぞれ心地良いリズムのお囃子を奏でながら、そして大きな声で気合を入れながら練り歩く様は圧巻の一言です。屋台と山車10台以上、そして最後に神輿が大本堂前に着くまで各町内の若者がそれぞれお囃子に合わせながら楽しく踊る様は見ていて飽きません。
屋台と山車、そして神輿が到着し整列したら、一転して静かで厳粛なムードに。成田山新勝寺の貫首(かんす・新勝寺のトップ)である橋本照稔大僧正が大きな太鼓の音と一緒に登場し、御祈祷が始まります。御祈祷が終わった後は各町内の代表が集まり、盛大な鏡開きが行われます。
そしてその後はいよいよ!成田祇園祭がスタートします。
安全祈願、鏡開き後より開始
安全祈願と鏡開きの後、三々七拍子の合図で白装束に身を包んだ男性陣が神輿を担ぎ、まずは神輿がトップバッターとして町内に出陣していきます。それから成田山交道会の若者頭と副頭の合図によって始まる「総踊り」。
この日の為に踊りの鍛錬をした若者達の総踊りはお囃子のリズムに合わせて陽気に、そしてどこかひょうひょうとしており、見ている人達も思わずリズムをとってしまうほどです。他の祭りでも踊りは見られますが、ここ成田祇園祭の総踊りは人数が桁違いであり、このド迫力は成田祇園祭独特のものと言えるでしょう。
各町内の屋台や山車が一同に集まるだけでも大迫力なのに、ここに大人数の踊りも加わると熱気で空気がむせ返るほどです。各町内の屋台、山車によってお囃子の曲調も踊りの種類もガラっと変わりますので、それぞれ見比べてみるのも楽しいものですね。
ある程度踊りが進むと屋台や山車は神輿に続き町内や表参道に各々繰り出していきます。
9:00~よりJR成田駅前広場で開始
第2日目はJR成田駅前にある広場より、前日の余韻冷めやらぬ総踊りからスタートします。神輿が先陣をきって町内や表参道に出発した後に花若連、若者頭の合図と共に、各自それぞれ総踊りが始まります。
各町内の屋台、山車それぞれにお囃子があり特徴的で軽快な曲調を奏で、気分良く盛り上がってきますね。その曲調に合わせ男性は威勢よく力強く踊り回り、女性は可愛らしい中にも凛とした動きで見る人を魅了していきます。
また、広場で踊っている若者とは別に屋台や山車の上にも人がいて、お囃子の曲調に合わせて踊ります。踊りの息も合っており、皆が一同に介し一丸となって踊るその姿はとても晴々しく小気味の良いものです。
先陣をきった神輿の後を追うように各それぞれの屋台と山車も町内や表参道に出陣して行く様は何度みても壮大であり、力強い屋台や山車の動きに圧倒されるでしょう。
いよいよ最終日である第3日目、成田祇園祭が締めくくられる日です。締めくくりの最終日、昨日に引き続き熱気溢れる大迫力の総踊りがメインと思っていませんか?
総踊りも素晴らしく迫力満点のイベントなのですが、実は成田祇園祭の超目玉と言える行事がこの最終日にあるんです。それは一体何か?と言うと「総引き」と言われている日本一との呼び声も高い荒々しい行事なんですね。この総引きを見ないと成田祇園祭を見たことにならないとも言われるほど超有名なものです。
成田山表参道の仲町から新勝寺の門前まで蛇行した長い坂道が伸びていますが、その坂道を曳き手達が一斉に縄を引っ張り、勢いをつけながら屋台、山車を上まで登らせていくのが総引きと呼ばれている行事です。
「わっしょい!わっしょい!!」という威勢の良い掛け声が響き、男女問わず巨大な屋台や山車を曳きながら坂道を駆け上がっていく様は驚異的とも言えます。時間が経ってくるとたくさんいる曳き手達も疲れてきますが、歯を食いしばりながら、そして周りの声援もあって見事駆け上がった時は思わず拍手をしてしまうほど。
各々の曳き手達が全力を出し合い一体となっている勇壮は感動を呼び、クライマックスの行事だけはあると納得するでしょう。そして全ての屋台、山車が揃ったところで神輿が担ぎ込まれ、3日間の巡行を終えた神輿を屋台と山車がお出迎えする形になります。
橋本照稔大僧正のもと五穀豊穣や町内安全などの最後の御祈祷があり、全員での三々七拍子、歌の披露などがあり、3日間の終わりへと進んでいきます。そして、本当のフィナーレとも言えるのが最後に繰り広げられる総踊り。観覧している方々からも声援が飛び交い、それに思いきり応えるように踊る各町内の若者達。
盛大なフィナーレにするべく、男女各々が陽気なお囃子のリズムで踊り回り夜がゆっくりと更けていきます。
19:00~21:00頃まで 成田山表参道にて展示
お祭りというと昼間がメインと考えがちですが、実は成田祇園祭は夜も最高に楽しめるイベントを行っています。それは、昼間に町内や表参道で曳き回されていた屋台や山車が驚くほど美しく何台ものライトでライトアップされるというもの。
昼間はあれほど荒々しく猛々しさがあった屋台や山車が打って変わり、まるで幻想的な世界を演出しています。昼間ではなくこの夜のライトアップを楽しみに来る人も多く、夜は夜で新たな盛り上がりを見せるイベントなんですね。
昼間の成田祇園祭だけではまだ楽しみも半分と言えるかもしれません。小さなお子さんがいる場合は難しいかもしれませんが、夜のライトアップも楽しまれる事をおススメします。
安全祈願と鏡開きから始まり最後の総踊りまで盛大で勢いがありながら様々なイベントで心から楽しむ事が出来る成田祇園祭。そんな多くの人を巻き込む成田祇園祭ですが、どのような経緯で行われどのような歴史があるのか?気になる人もいるのではないでしょうか。
ですが、実は何と成田祇園祭の起源や歴史というのは明確にはわかっていません。現在残っている記録では「これまで休止していた祭りを1721年に再開した」という記述だけがあるようです。1721年という事は時は江戸時代、徳川7代目将軍である徳川吉宗の時代です。
この時代から成田祇園祭の歴史として300年ある事はわかりますが、それ以前の記録が一切残っておらず、どのような経緯や理由から成田祇園祭が始まったのか?不明であり謎に包まれています。これほど盛大な成田祇園祭のルーツがわからないというのも中々ミステリアスに感じますね。
JR成田駅から徒歩約10分で成田山新勝寺に到着します。
成田ICから約10分から15分ほどで成田山新勝寺に到着します。
住所 | 千葉県成田市東町631 |
---|---|
利用時間 | 8時20分から16時30分まで営業 |
利用料金 | 普通車1日800円、マイクロバス1日1,500円、大型車1日2,000円 |
駐車場から成田山新勝寺まで徒歩で約6分ほど。
住所 | 千葉県成田市田町331-1 |
---|---|
利用時間 | 8時20分から16時30分まで営業 |
利用料金 | 1日800円 |
駐車場から成田山新勝寺まで徒歩で約4分ほど。
住所 | 千葉県成田市東町601-2 |
---|---|
利用時間 | 8時から17時まで営業 |
利用料金 | 普通車1日800円、マイクロバス1日1,500円、大型車1日2,000円 |
駐車場から成田山新勝寺まで徒歩で約5分ほど。
成田祇園祭開催中は成田山周辺、西参道、表参道、電車通などが通行不可となります。
交通規制の時間は午前10時から夜22時までと長く終日通行できません。
詳しい情報は成田市観光協会(0476-22-2102)まで。
毎年45万人から50万人ほど全国からの観覧客で賑わう成田祇園祭。ファンになり毎年観覧するほど人気のイベントです。7月前半の3日間を通して行われる様々なイベントはどれも熱気や気迫、迫力に勝り、参加した人を強く魅了させます。
梅雨時期のじっとりした気温も感じさせず、梅雨空さえも吹き飛ばすほど迫力満点、だけど凛とした華やかさも感じさせる成田祇園祭。ぜひ現地の熱気に触れ、歴史ある本物の祇園祭を体感してみてはいかがでしょうか。