うなぎと聞くと、発祥の地として名高い静岡や、ひつまぶしで有名な愛知県を思い浮かべますが、千葉県は日本でもっとも古くからうなぎを食していたと考えられており、隠れ名産地として挙げることが出来るのをご存知でしょうか?
なので千葉県にはうなぎ屋さんが多く存在し、中でもうなぎ街道とも呼ばれている宗吾街道には、沢山のうなぎ屋さんがお店を構えているのです。
そしてうなぎ街道の端に在るのが、「名鳥」です。
このうなぎ街道界隈で、実力店と名高い名鳥で、どんな名物のうなぎが食べられるのが気になり、足を運んでみることにしました。
宗吾参道駅からは若干離れてはいますが、宗吾街道を進み印旛沼を望める端の場所に「名鳥」があります。
晴れた日にはドライブコースにもなるほど気持ちが良く、こんな自然の中で美味しいうなぎが食べられるとなれば、多少遠くても足を運んでみたくなってしまうことでしょう。
うなぎの看板が目を引きます。
うなぎののぼりに誘われていくと…。
古民家風のお店に辿り着くことが出来ました。
お店には駐車場がありますが、人気店で常に賑わっているため、土日はすぐに満車になってしまうそうです。
ですが常に混んでいるということは、名鳥の噂を聞いて遠方から沢山の方々が来店されているということ。
期待をしながら、暖簾をくぐります。
お店の中に入ると、まずはオープン仕様の調理場が見えます。
うなぎだけでなく、やきとりも名物とだけあって、開けた調理場からは芳ばしい香りが漂ってきます。
この香りだけで白いご飯が何杯か食べられそうなほど、食欲が増してきました。
店内には4人掛けのテーブル席が数席あり、お店の奥には座敷も用意されています。
昔ながらの雰囲気がやけに落ち着くので、初めて来店された方でも気兼ねなく食事を楽しむことが出来そうです。
うなぎを待っている間に店内の手書きのメニューを拝見していると、何やら気になってしまうお品書きを見つけました。
まず目に飛び込んできたのが、「エビガニ(1,200円)」。
なかなかうなぎ屋さんでお目に掛かれるメニューではないので、注文してみることに。
一皿と書いてあるので、数匹のエビガニが来るものだと思っていると…。
このボリュームです。
しかも一般的にフライなどで調理されること多いエビガニですが、名鳥ではボイルされて出てきました。
臭みがあるイメージが強いエビガニ(アメリカザリガニ)ですが、新鮮なエビガニをしっかりと塩ゆでしているので、臭みがまったく感じられません。
味噌も存分に味わうことが出来るので、名鳥に来店した際は是非注文していただきたい逸品です。
そしてもう一品、「どじょう唐揚げ(500円)」もうなぎ屋さんで頂けるとなれば、注文せずにはいられませんよね!
カラッと揚がったどじょうはほろ苦さを感じ、レモンをキュッと絞ればお酒のつまみに最適な味わいです。
生きたまま粉をつけて揚げているそうなので、川魚特有の臭みがなく、鮮度が違います!
本日の目当てであるうなぎは、注文が入ってから焼き上げてくれるので、多少の待ち時間は要りますが、美味しいうなぎが食べられるのならそれぐらいの待ち時間は気にもなりません。
それに珍しい逸品を楽しみながら待つのは、この上ない贅沢な時間を過ごせるので、いくらでもうなぎを待っていられそうな気さえします。
そして注文していた「うな重(2,800円)」が運ばれ、お重のフタを開いてみると…。
この美しい照りと焦げのついたうなぎが!!
これはもう一気に食欲増進してしまうほど、完璧な見た目です。
丁寧な仕事をされているのが、しっかりと伝わってきます。
お新香だけでなく、肝吸いもついてきてこのお値段はお値打ちですよね。
しっかりと蒸されたうなぎは、ふっくらと肉厚に焼き上がり、箸を入れると程よくご飯に絡まり、口の中で絶妙に混ざり合います。
タレは甘すぎず、醤油の味が際立ったあっさりとした味付けとなっており、うなぎの旨味を最大限に活かしたタレとなっているので、最後の一口まで飽きることなく食べ続けられますよ!
うなぎ街道ではどのお店も評価が高く、生半可な仕事をしているお店であれば、きっとすぐに潰れてしまうことでしょう。
この界隈では「一番良いうなぎは名鳥が持っていく」と言われているほど、常に鮮度の高いうなぎを最高の状態で出してくれるお店なので、うなぎ好きの方には是非一度は訪問していただきたい名店です。