「ヤキトリ」という強力なパワーワードに心揺さぶられない人は、きっとあまりいないと思います。
1本1本丁寧に串打ちされた国産地鶏などを備長炭の高温で焼いてウマミをぎゅっと閉じ込めた香ばしい串焼き料理があり、そんな逸品の串焼きたちに合うお酒がたくさんあり、気さくで明るいスタッフさんがきびきびと立ち働くおしゃれな焼き鳥屋さんがあるよと聞けば…それはもう、うかがうしかない。
そんな絶対に居心地がいいに決まっているお店が、公津の杜駅にある「鳥玄」さんです。
「鳥玄」さんの外観です。のれん+提灯で屋台な感じが演出されています。にじむような橙色の照明がきれいな夕焼けのようですごくいい感じです。
木の格子戸を開くと、癒しの空間とあたたかい歓迎の声が出迎えてくれます。お店の中には靴を脱いでお邪魔するスタイルです。カウンター席の上には日本酒がずらりと並びます。
香ばしい匂いが漂う店内の風景です。ノスタルジー感と和テイストなおしゃれ感がちょうどいいバランスで同居した店内に身を置くと否が応でもまったりできます。
カウンター席では勢いの良い炭火で串を炙るところをじっくり拝見できます。
ほかには足を伸ばせる宴会にも最適なお座敷席、大正ロマンテイストな瀟洒なテーブル席、デートに最適な完全個室席などがあります。
用途に応じていろいろなお部屋があるのも嬉しいポイントです。
1本1本ずつ、丁寧に心を込めて熟練の技術で焼いてくださいます。
串のメニューです。すべて岩手県産の国産鶏が使用されています。
レバーや軟骨、ねぎまやつくね、砂肝にとり皮といった基本の串のほかに、「塩レバーねぎまみれ」や「ささみ梅しそ」といった変わり種も完備されています。
新鮮な野菜の串ももちろんあります。
からあげと温玉入りで野菜たっぷりのサービス精神に溢れまくった大ボリュームの「鳥玄サラダ」などの「菜」、「きゅうりの一本漬け」、「チャンジャ」などの「取」(「とりあえず」の略です)、香ばしいベーコンでアスパラやチーズなどを巻いた「巻」、そして馬刺しと妻地鶏のたたきの「刺」。
とにかく大将は美味しい肉の追求に余念がありません。
そのこだわりが美味しい料理にそのまま反映されているから、こちらとしてもありがたいことこの上なし。
左からマンゴージュース、生カシスオレンジ、ザクロ酢です。華やかなソフトドリンクとお酒です。
串がやって来ました。白モツ、カシラ、ハツ、ボンジリです。お肉の表面の焼き色の素晴らしさにウットリしてしまいます。炭火の匂いとお肉の匂いが絡まり合って嗅覚に直撃してきて食欲をあおりたててくれます。うれしい来襲です。どれも本当にいい焼き加減で、お肉の歯ごたえは口の中で弾むよう。そして程よい弾力がありつつも果てなくジューシー。噛めば噛むほどテンションと、串の旨味が増していきます。そう。本当に美味しいものは人を熱狂させるのです。
ささみ梅しそです。やわらかなささみに巻かれたシソの葉が青々としています。スタッフさんの火加減の技術が光っています。たっぷりの梅肉にささみを絡ませると味わい深くも爽やかな味に。
塩レバーねぎまみれです。本当に青ねぎに埋没する勢い。レバーには癖も臭みもまったくなくひたすらやわらかで、ねぎ×塩×ごま油の黄金コラボが口の中で炸裂します。とにかく、賭け値なく美味しい!
桜色に透き通った身が美しい宮崎県産赤鶏のブランド鶏の妻地鶏のたたきです。ホントに大輪のお花みたい。食べるのがもったいない。
妻地鶏のたたきには鶏の臭みはなく、ひたすらにまろやかで奥行きのあるとろけるような味わい。花びらのような妻地鶏の身にねぎをたっぷり絡め、添えられた3種類のタレ(甘口醤油・ポン酢・にんにく)で頂くとつける薬味ごとに地鶏の味の表情が劇的に変わります。そして、あっという間に完食。つまり、花より団子。否、地鶏。
鳥玄丼タレ味。「鳥玄」さん自慢の丼です。炭火で香ばしく焼き上げられた焼き鳥の旨味とふかふかつやつやのご飯、薬味のねぎの辛みと海苔の香ばしさがどんどん箸を進ませます。「鳥玄」さんの技術と素材の良さが光り輝く逸品です。
牛すじうどんです。シメに相応しいあっさりした優しい味。出汁にも牛すじが使用されています。もちもち食感の本格的なうどんに関西風のおつゆがよく合います。焼き鳥は炭火に限るとは常々思ってはいましたが、やっぱり目の前で調理していただいたホカホカのものは別格の味がします。
こちらで提供される串物などが厳選された素材であるということが視覚や聴覚、味覚でつぶさに実感できるのもいいです。
「鳥玄」さんは美味しい地鶏料理を心ゆくまでくつろいで食べられる&飲める素敵なお店でした。リーズナブルなランチも営業なさっていらっしゃるようなので、今度はお昼にも訪れてみたいものです。